2017年03月08日

絵本と胎教のこと

「胎教」なんて考えたことがなかったのですが
前に妊婦の友人が胎教のために絵本を読んでいる・・・と聞いて
へぇ、と驚きました。

論文を書くとか調べ物をするとかは別にして
そもそも「何かのために」読書をするというのは
あまり好きではないので・・・。

まぁそうは言っても胎児は耳も聴こえるらしいし
私も本は読んでいるし・・・ということで
お裾分けの気持ちで
その辺にある本を音読してみました。

思い立ったが吉日
たまたまそばにあったのは村上春樹の『羊をめぐる冒険』で
主人公がやたらとビールを飲み、ピーナッツを食べ・・・
というだけだったので、読み聞かすのに盛り上がりに欠ける。

その後、ZENがラジオで聞いたからぜひ読みたいと言っていた
『宇治拾遺物語』(河出書房新社、町田康ver)を借りてきたのでちょっと読んでみる。

この現代語訳はラジオやネットで話題になったようで、
かなりポップな現代語。
瘤とり爺さんの話などが収録されている古典ですが、
そもそもこの宇治拾遺物語、かなり下世話な話が多く
大人がゲラゲラ笑う分にはいいのですが
親から子に話すような内容じゃない・・・。

と音読をしてみて後悔する結果に終わりました。

ここまではちょっと前の出来事です。
最近図書館に行ってみて、
ああ、そろそろ絵本コーナーをうろついても怪しくないなという容姿にもなってきたので
靴を脱いであがる、絵本コーナーに立ち寄ってみました。

平日のちょうどお昼どき、運良く誰もいなかったので
2時間ほど居座ってしまった・・・。
文字通り、座ってしまった・・・。
絵本ってすごく面白いですね。

いろいろ見てみれば、あまり内容はないけれど
「音」に着目して、赤ちゃんが喜びそうな絵本もあるし
意外な人が(音楽家とか詩人とか)書いているのもある。
懐かしい!というのもあった。
五味太郎とかかこさとしはやっぱり安定の存在感で
林明子の絵は相変わらず可愛らしく
ねずみくんのシリーズは今でも人気。
私の小さい頃とは違うのは、
江國香織とか話題の作家による訳の絵本がピックアップさているところ。

で、絵本もいろんなジャンルがあって(!)
「古典」とか「寄席」なんてコーナーもあった。
「寄席」の絵本も数社が出していて、
落語CDつき!というのがあったので借りてみた。
子どもが飽きない程度の小咄が収録されていて
絵本のCDつき、ってのはなかなか便利。

そして、絵がきれいでついつい借りてきたのが・・・

これ、島崎藤村の『初恋』なんです。

ほるぷ出版、というところが出している古典(?)絵本シリーズで
方丈記とか誰もがなんとなく知っているようなフレーズに
それぞれ雰囲気のあった画家の方が絵をつけて本になっている。

・・・『初恋』の内容も子どもにはわからないだろうな。
でも、意味とかじゃなくてフレーズとして口ずさむには
綺麗な文体だし、何かと話題の教育勅語よりはステキだと思うので良しとしよう。

絵になると、ああ、そうか、これは「りんご」で四季が感じられる詩だよな
とあらためて新鮮。

詩が好きだというと
人間性を疑われる気がして、あまり言わないようにしているのですが
結構好きなんです。

ここで、ああ、絵本よりも詩の方が
読み聞かせるにはいいなと気づき
そうなると、工藤なおこの、トカゲがプラプラ散歩に出るような詩があったっけ・・・
と思い出し、探しに行く。
そう、確か『のはらうた』。それか『ねこはしる』。
どちらも図書館では見当たらず、『詩集○』というのを借りてくる。

小さい頃の思い違いってすごいですね。
正確には「トカゲ」ではなく「ちびへび」でした。
哲学のライオンよりも、なぜか記憶しているのは
小さな爬虫類だったり・・・。

でも、やぱっり工藤なおこの詩集は
絵がなくても短い言葉で十分に物語になっているので
わかりやすくて面白い。
歌謡曲を歌うカタツムリとかイルカとクジラが仲良しだったり、
かと思えば夫婦で「しみじみと」縞馬を食べるライオンがいたり。


これは童話屋という出版社が出している、ポッケに入るくらいの大きさの詩集。
最近の出版で、詩人書き下ろしではないけれど
うまいこと詩が集められていてなかなか気に入ってます。
この出版社の本で谷川俊太郎の『ぼくは ぼく』も借りてきたけれど
こちらも染み入る言葉たちです。


・・・申し訳程度に音読はしてみるものの
結局は自分のための読書に終わってしまうのでした。

sachiko  

Posted by然とsachiko(弐七農園)at 21:15 Comments(0) 本のことあれこれ子どものこと